2015-05-28

コーヒーと恋愛/獅子文六:モエ子と千代子の「私であるということ」

もともと新聞で連載されていた小説「コーヒーと恋愛」。
当時は「可否道(カヒドウ)」というタイトルだったそうです。

手に取ったきっかけは、書店に平積みされていて目に留まったから。
よくある「書店員のオススメ!」みたいなコーナーであったのですが、
本は出会いですね。





1962年に書かれた小説

今から50年以上も前に書かれた作品にもかかわらず、
登場人物の瑞々しい感情表現がフレッシュ!で、大人の恋愛にもかかわらず、青春モノのように思わずキュンとしてしまいます。

そして、携帯電話もSNSも無い時代の、今では考えられないほどゆったりとしたコミュニケーションも新鮮です。

今敏さんの「千年女優」

そしてこの物語、読み終えた後に「千年女優」というアニメーション映画を思い出しました。
今敏さんの作品で、「コーヒーと恋愛」と同じく主人公が女優という設定です。





モエ子と千代子


獅子文六の描く「モエ子」と、今 敏の描く「千代子」が
私の中で重なったのは、どちらも、物語のラストには自分を信じて旅立つから。

そして、女優という「演じる」ことを生業とする二人が、
最終的には「自分であること」を貫く姿が、爽快!

ちなみに千年女優では、ラストシーンで泣きました。笑

戦後の日本を鮮やかに生き抜いた女性の生き方。
ぜひご覧あれ!


 


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